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第9回 グルメ料理僧が探る心から美味しいと思えるナチュラルフード

「亀田製菓通販いちば」スペシャルインタビュー 

ゲスト:京都府京田辺市 酬恩庵一休寺(しゅうおんあん いっきゅうじ) 副住職 田邊宗弘(たなべ・そうこう)氏

  

一休寺納豆は、モデレーターの緑泉寺住職・青江覚峰さんイチ推しのナチュラルフードです。一休寺納豆がつくられている京都府京田辺市にある酬恩庵一休寺は、アニメや絵本のキャラクターとしてお馴染みの「とんちの一休さん」こと、臨済宗の僧侶である一休宗純(そうじゅん)が晩年を過ごしたお寺です。このお寺では、その一休禅師が製法を伝えた「一休寺納豆」が、当時のままの製法で今もつくり続けられています。今回は、青江住職イチ推しのナチュラルフードの一つ、日本の発酵調味料として醤油よりも歴史が古い「一休寺納豆」について酬恩庵一休寺の副住職・田邊宗弘さんにお聞きしました。

 

記事の一番最後に亀田製菓クラブ会員限定、一休寺納豆プレゼント応募の入り口があります。

■青江覚峰住職イチ推しの伝統的ナチュナルフード、一休寺納豆
■およそ2年の歳月をかけて作られる一休寺納豆
■中華料理やイタリアン、フレンチに使うことで新しい可能性を
■一休寺納豆をどのように知らしめていったのか
■仏教者として、食について伝えていきたいこと

 

 

青江覚峰住職イチ推しの伝統的ナチュナルフード、一休寺納豆
-その味は、醤油と味噌が凝縮されたような濃厚なうま味と塩味が特徴

青江)ナチュラルフードとは、農薬や人工的な材料を使用せずに栽培された野菜、または加工された食品のことです。昨今、そうしたナチュラルフードがどんどん減少し、手に入れることが難しくなる中、昔ながらの製法で作られ、食べられている食品もあります。そのひとつが今回ご紹介する一休寺納豆です。あの一休さんが作り方を伝えた一休寺納豆は室町時代から600年以上同じ製法で作り続けられていて、間違いなく日本が誇るナチュラルフードのひとつです。
今回は私のイチ推しのナチュラルフード、一休寺納豆の秘密を探るべく、酬恩庵一休寺の副住職・田邊宗弘さんにお話を伺っていきます。

田邊さん、一休寺納豆は皆さんが一般的に思い浮かべる糸引き納豆とは、味も形も随分違いますよね?

田邊)納豆と言えば、ねばねばとした糸が特徴の糸引き納豆を思い浮かべる方が多いと思いますが、一休寺納豆は形も黒い粒状をしていて、大豆の中に醤油や味噌がぎゅっとしみ込んだような濃厚なうま味と塩味が特徴です。中国料理に使われる豆豉(とうち)に似ていて、主に調味料として使われます。一般的な納豆は納豆菌から作られますが、一休寺納豆は麹菌を使います。同じ納豆でも、全然違いますね。

 

《通常の糸引き納豆とは全く違う一休寺納豆》

 

 

■およそ2年の歳月をかけて作られる一休寺納豆
-1年もの間、天日干しをしながらかき混ぜる

 青江)その一休寺納豆は、どのように作られているのですか?

田邊)京都は祇園祭りの真っ最中、土用の太陽が照りつける7月、仕込みを始めます。
滋賀県産の有機栽培でつくられた在来種の青大豆を使います。粒が大きくて味も全然違うんです。その大豆を一晩水に浸けて水を吸わせ、指でつまんで潰せるくらいまで蒸し、一旦、筵(むしろ)に広げます。その後、蒸した大豆と大麦の粉であるはったい粉、麹菌を混ぜ合わせ、四角い麹蓋(こうじぶた)に平らにならし、重ねていきます。
一桶60キロを仕込む場合は、15段ぐらい重ねたものを1列とすると5列ぐらいになりますが、それらを発酵しやすくなるよう筵で覆い、2日間蔵に置きます。

《麹蓋の上で発酵し、固まった納豆》

 

 田邊)麹蓋の上で発酵し固まった納豆を、へらのようなものでかき落とし、細かく砕いたものを塩湯が入った桶にいれてかき混ぜていきます。塩湯の濃度は海水ぐらい、1012%くらいです。

それから毎日、日中に桶の蓋を取り、何度かかき混ぜて天日に干して水分を蒸発させます。太陽光に当てることで、うま味成分のアミノ酸が生成され、暑ければ暑いほど発酵が進みます。1年かけて水分を蒸発させると、最初は桶にいっぱいだった納豆が半分ぐらいの量になり、色も黄土色といいますか、淡い茶色だったものが黒褐色に変わっていきます。それを別の蔵に移して1年間寝かせて完成です。

 

青江)1年間、毎日かき混ぜるのですか?

 田邊)仕込んでいる量がここまで多いところはなかなかないので乾燥させるのに丸一年かかります。その間は雨が降らない限りこの作業を行います。

《仕込んだ後は毎日、攪拌作業を行う》

青江)このような方法でつくられる納豆は寺納豆や浜納豆などと呼ばれ、平安時代中期には既に中国から日本へ渡来していたそうですね。

 田邊)はい。貴重なたんぱく源であり保存食として珍重されていたこの納豆の製法を、一休禅師が一休寺や大徳寺に伝えられました。当時は応仁の乱の時代。飢えに苦しむ人々を救うため、一休禅師は近隣の村や門前の人々に分け与えただけではなく、そのつくり方も教えられたそうです。

一休寺の周りは薪(たきぎ)地区・旧薪村といいますが、この地域は昭和30年くらいまで「筵織り」が盛んで、この村だけに伝わる独自の技術がありました。一休禅師は納豆のつくり方を伝えるとともに、納豆づくりに欠かせない筵織りの技術を教えることで村の基幹産業を興そうとしたのではないか、と考えられています。

青江)世が乱れ野盗が出没するような乱世に、地域経済を活性化させる仕組みを考えられたということですね。今で言うところの新しい産業を立ち上げ、生きていく術を人々に身につけさせた一休禅師はやはり、すごい方ですね。

田邊)そうですね。自由な考え方、そして幅広い視点を持っていらしたと思います。

 

□現代における一休寺納豆の可能性とは
-中華料理やイタリアン、フレンチとも相性がいい

 

青江)現在、一休寺納豆はどのように食べられているのでしょうか?

 田邊)臨済宗では朝、粥座(しゅくざ)といってお粥をいただきますが、そういったときのご飯のお供にしたり、僕はおにぎりに入れて食べたりもしています。卵かけご飯の醤油の替わりに使うと卵の甘味が引き立ちます。
味が豆豉に近いこともあって、麻婆豆腐などの中華料理に使うのもいいですね。油との相性がいいんです
イタリアンやフレンチのシェフはスパイス替わりに使われていますね。イタリアンだとアンチョビみたいな感覚で、塩味を足したり風味付けにされたり。最近の料理人の方は、ご自身の感性で食材を使われますので、こんな使い方があったのかと僕らのほうが教えていただいていますね。

青江)アンチョビの感覚で使うのは面白いですね。試してみたくなります。

《イタリアンの一皿にあしらわれた一休寺納豆》

 田邊)乳製品やオリーブオイル、トマトソースとも合います。トマトソースをベースにした煮込み料理に入れると、コクが出ますね。パスタを湯がいて、一休寺納豆を刻んで混ぜ、オリーブオイルをかけたシンプルなパスタも美味しいです。スペアリブの味付けに使ったりしてもいいです

《一休寺納豆と紫蘇のパスタ》

 青江)私も日頃から一休寺納豆を使わせていただいていますが、和食や中華、イタリアン、フレンチとも合うんですね。この懐の深さはどこから来るのでしょうか?

田邊)美味しいのはもちろんですが、たんぱく質やアミノ酸が豊富で保存も効く、優れた食品であり、時代や文化の垣根を越える力を持ってます。食材としての一休寺納豆はずっと昔に到達点に達しているので、僕らは同じことをやり続け、守っていくだけでこれまでと同じ味を伝えていくことが大切だと考えています。生産量に限界があり、基本的にニッチな食べものなので、本当に美味しいと思ってくれる人に届けることができたら成功だと思います。

 

■一休寺納豆をどのように広めていったのか
-とにかく食べてもらえば、美味しさは分かってもらえる

 

 

青江)それほど素晴らしい食品であるにも関わらず、田邊さんが修行されていた名古屋のお寺から一休寺に戻ってこられた1415年前は、今ほど認知されていなかったそうですね?

 

田邊)地元の人にすらあまり知られてはいませんでした。僕自身は昔から日常的に食べていたので、その感覚を共有して知ってもらいたい。こんなに美味しくていいものだから、皆さんに食べて欲しい、と思いましたね。

一休寺納豆は、シンプルに美味しいんですよ。僕は、一番そこに惹かれています。

 

青江)一休寺納豆を知ってもらうために、どのようなことから始められたのですか?

 

田邊)ライターやシェフの方など、食の関係者に手当たり次第に送りましたね。農と食のジャーナリストで「やまけんの出張食い倒れ日記」というウェブサイトを運営しているヤマケンさんこと、山本謙治さんにもお送りしたらお寺にお越しいただいて。そういう感じで広がっていきました。また、京都市内でワインを扱うお店のオーナーの方がすごく気に入って下さって、販売してもらうことになって。そこは、いろいろな料理店の方がワインを買いにこられるお店で、オーナーさん自ら丁寧に説明して下さったのです。そんな風に口コミで広がったのが大きかったですね。

地元にあるフレンチのレストランでは、デザートのマカロンに使ってくださいました。今も販売されていますが、このマカロンが本当に美味しくて。それが地元で再認識されるきっかけになったと思います。

和菓子にはよく使っていただいていたのですが、洋菓子にも使えることがわかり、フランスの丸いお菓子、ブール・ド・ネージュに一休寺納豆を入れたり。これも非常に美味しくて、地元のパティスリーで扱ってもらっています。そういった商品開発、レシピ開発のような提案を続けた結果、少しずつ広がっていきました。

 《京田辺市のフランス料理店「ルスティック」で販売されている「一休寺納豆マカロン」》

 

 ■仏教者として、食について伝えていきたいこと
-本当の意味で豊かな食事とは何なのかを考える時期にきている

 

青江)食べることや食について、仏教者としてどのようにお考えですか?

田邊)寿命や死亡率といったデータを見ると、現代人のほうが昔の人より長生きで死亡率も低いです。でも、昔の人が今と比べてそんなに悪いものを食べていたかというとそうではないと思います。冷蔵庫や冷凍庫ができて保存技術は進みましたが、食品の味や質といった観点から見ると、昔の食べもののほうが美味しくて新鮮だったかもしれません。食べるということについて、僕らは過剰にサプリメントを摂ったり、食べ過ぎたりと、昔よりよくない傾向にあると思います。もっと食材を見直すと、本当の意味で豊かな食事になる、適切な食が人の健康を支える上で、非常に大事になると思いますね。

臨済宗では、先ほども話しましたとおり、朝はお粥をいただきます。一日を過ごす上でも、お腹のことを考えても身体に負担がかかりませんから、身体に合った食事だと思います。こうした禅宗の精進料理の考え方ももっと伝えていきたいですね。精進料理はお寺の質素な食事、といったイメージがあるかもしれませんが、ある意味とても豊かな食事です。

 青江)私もそう思います。

田邊)一休寺納豆も昔からある食べものですが、味の面でも栄養の面でも今の食べものに全然負けていません。少しずつではありますが、自然の力や人々の知恵が詰まった一休寺納豆の持つ力や美味しさに気づく人々が、僕らや若い世代の中に増えてきているように思います。

 

インタビューを終えて

食材をつくる。言葉にすると単純ですが、その背景には実に多くのものが関わってきていることを感じます。 一休宗純禅師が納豆のつくり方を伝えたことは地域の基幹産業を形作り、結果として多くの人々の生活を豊かにさせたことでしょう。 中国から伝来した寺納豆に由来する一休寺納豆は、いまやフレンチやイタリアンに使われていることにも様々なものごとのつながり、そして広がりを感じます。私自身もビシソワーズの上にソースとして味付けのポイントに使うなど、オススメのナチュラルフードとして一休寺納豆を日頃からよく使っています。本当に使い勝手がよいです。我々僧侶が唱える食前の言葉の中に「食べ物が供されるまでの、人々の思いや命に目を向ける(意訳)」というものがあります。目の前の食事が自分の口に運ばれるまで、一体どれだけの自然、いのち、労働、歴史などが関わってきたのかに思いを致すことを促す言葉ですが、田邉副住職のお話は、まさにそれらがギュッと詰まったものだったように感じました。

《青江住職によるビシソワーズ一休寺納豆ソース添え》

今回のゲスト:酬恩庵一休寺(しゅうおんあん いっきゅうじ) 副住職 田邊宗弘氏

 

 1979年生まれ、京都府出身。関西大学卒業後、名古屋徳源寺僧堂での修行を経て酬恩庵一休寺副住職。僧侶としての仕事の傍ら、お寺を人と人のコミュニケーションをつなぐ場とするための活動や「一休寺納豆」のPRを始める。2015年、枯山水庭園のライトアップイベントを、当時としては珍しい寺院のクラウドファンディングとして成功させた。「お寺から発信する」をコンセプトとした雑誌「DONUTS」の編集長でもある。

 

モデレーター:緑泉寺住職 青江覚峰氏 プロフィール

 

 

1977年東京生まれ。浄土真宗東本願寺派湯島山緑泉寺住職。米国カリフォルニア州立大学にてMBA取得。料理僧として料理、食育に取り組む。「暗闇ご飯」主宰。超宗派の僧侶によるウェブサイト「彼岸寺」創設メンバー。著書に『お寺ごはん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『ほとけごはん』(中公新書ラクレ)、『お寺のおいしい精進ごはん』(宝島社)など。海外での精進料理公演などの実績も多く、日本精進料理界の若手僧侶。

 

 
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